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オンラインでの双方向性のある場づくりVol2. “ワールド・カフェ形式の話し合い”

前回は、オンライン上での「参加者主体の話し合い」の進め方を見てきました。

今回は、そこからもう一歩踏み込み、複数のテーマを同時に扱いたい場合の効果的な進め方をご紹介します。

イメージは、ワールド・カフェ形式の話し合いです。

「ワールド・カフェ」は、まるで 街中のカフェにいるようにリラックスした雰囲気の中で、提示されたテーマに沿って自由に対話を行う話し合いの手法。お互い相手の意見を尊重しながら意見交換していくことで、一体感を保ちつつ、創発的にアイデアを生み出すことができます。

対面では、模造紙とマジックを使ってメモを取りながら意見交換を進めていきますが、オンラインでは、ZoomとWeb共有ツールを併用することで、対面に近い話し合いの場を作ることが可能です。

Step1) テーマを選定する

まずは、話し合いのためのテーマを選定します。

前回のブログの続きとなりますが、写真は私が主催した「オンライン研修に関する勉強会」において、参加者の皆さんから導き出された「オンライン研修について知りたい(or聞きたい)こと」をまとめたものです。

今回は16名の参加者がいたので、1グループ4人として、4つのテーマを選定することにしました。

最多得票となった「ついてこれないメンバーの拾い方」については、全員の共通テーマとして話し合いをしたので、残りの4つのテーマ、1)BOR先への巡回時の介入方法の工夫、2)オンライン上での笑いを取る方法、3)オンラインでの効果的なグループワーク、4)参加者の表情をどう見るか?を同時並行で進めるのが今回のチャレンジです。

Step2) BORを「自由選択方式」に変更する

ここでブレイクアウトルームの設定に入ります。

これまでZoomはホスト側が自動または手動で「参加者を割り当てる」のが一般的でしたが、最新のバージョン(2021年5月28日現在 Ver.5.6.4)では、「参加者によるルーム選択」が可能になっています。

ここでは、一番下にある「参加者によるルーム選択を許可」を選択してBORを作成します。

Step3) 各ルームの名前を変更する

今回のワールド・カフェ形式の話し合いでは、参加者が「自分の話したいテーマ」のある部屋を自由に往来できることを意図しています。

そこで、参加者が迷うことなく自分の希望する部屋に入って行けるよう、ルームの名前を変更します。

「名前の変更」をクリックすれば、簡単にテキスト入力ができます。

ここでは、Step1)で絞り込んだテーマ名をそのまま、ルーム名として適用しました。

Step4) 第1ラウンドの話し合い

ここからいよいよ、ワールド・カフェの開始です!

ワールド・カフェの進め方にはたくさんのバリエーションがありますが、今回は次のようなルールを設けて進めました。

①1ラウンド15分×2回
②1回目はそれぞれ好きなテーマに入る(※人数バランスを取るため、若干の調整はしました)
③15分が経過したら、別のテーマに移動する
④ただし、一人だけは「ホスト役」として同じテーマに留まり、新たに集まった人に前半の話し合いの内容を共有してもらう
⑤話をしながら、別途用意した、Googleスライド(写真左)に対話の記録を残してもらう

サポートメンバーがいないと少し慌ただしいですが、Googleスライドで各テーマごとのメモ用スライドを用意すると混乱なくスムーズに話し合いを進めることができます。

BORが始まったら、参加者はテーマ名が記載されたルームの右側にある「参加」を押す(写真右)ことで、そのルームに自分で入っていくことができます。


※ワールド・カフェの詳細については、『ワールド・カフェをやろう』(日本経済新聞出版社)を参照ください。

Step5) 第2ラウンドの話し合い

第1ラウンド開始から15分が経過したら、移動タイムです。

今回は参加者の皆さんがZoomに慣れていたのと、開始前に進め方を詳しく説明していたので、ブロードキャストのアナウンスだけで、各自に自由に2つ目のルームに移動してもらいました。

より丁寧に行うのであれば、一旦、全員をメインルームに戻し、そこから再度、2つ目のルームに移動しても良いでしょう。

開始後は、「ホスト役」として残った方から第1ラウンドのサマリー(写真はイメージ)を共有してもらい、そこからさらに新しいメンバーで対話を深めながら記録を残してもらいます。

Step6) 全体での共有

最後は、全員でメインルームに再集合し、「学び・気づき」をシェアします。主な方法として次の3つがあります。

① ホスト役を務めた人から、各テーマの話し合いの骨子を紹介してもらう。
② 数名の方に特に印象に残った学び・気づきを発表してもらう。
③ 参加者全員に対話を通して得た学び・気づきをチャットに書き込んでもらう。

Googleスライドの内容はPDFなどに簡単に書き出しができるので、参加者に対話のお土産として共有すると喜ばれるでしょう。

まとめ

今回はオンラインでの双方向性のある場づくりの続編として、「ワールド・カフェ形式の話し合い」の進め方を見てきました。

さすがに対面のような彩り豊富なマジックで自由に描きなぐりながら話し合いをする質感までは得られないのですが、オンラインでのワールド・カフェには、道具の準備や片付けが不要、記録も簡単に残せるといった利点があります。

1つ注意点としては、ワールド・カフェ形式は一定の参加人数がいることが前提となります。最小で9人(=3人×3G)、4人×4〜5G程度が話しやすいサイズ感と思われますが、うまくハンドリングすれば、Zoomの上限に近い人数でも実施は可能でしょう。

●テーマの絞り込みとルーム名の変更を適切に行う
●スムーズにセッティングを進められるよう、サポートメンバーの助けを借りる
●進め方が複雑なので、参加者に丁寧なインストラクションを心がける

こうしたポイントを意識すれば、オンラインでも双方向性のあるワールドカフェ形式の対話は十分に実現可能です!是非、お試しください!


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