「社内インストラクター養成」実施事例
CLIENT NEEDS お客様のニーズ
2015年に自ら考え行動する人財の育成を目的に、人財育成制度『C-HAM(Cataler-Human Asset Management)』を策定。Leaning by Teachingによる技能伝承と信頼関係アップを促進することで、『教え教えられる風土の醸成』を目指して「社内講師育成」に取り組むこととなった。
具体的には、2016年には50%前後だった社内階層別教育の内製化率を毎年10%ずつ高めていく計画を掲げ(現在は90%まで向上)、現場社員が講師となって、70を超える研修プログラムを実施していくことになった。
しかし、いざ実施してみると、研修を受けた受講生から「講師の質を高めてほしい」という声が相次いだ。講師となった人は、担当領域に関する知識や経験は豊富だったものの“人に教える”ことに関してはノウハウがなかったため、研修の組み立て方や具体的な教え方を体系的に学ぶ必要性を感じられていた。
さらに、今年はコロナ禍の影響もあって、研修のオンライン化を進めていく必要性に迫られていた。
SOLUTION 弊社の提供サービス
社内階層別教育の講師を担う方々(現場の中堅社員・管理職)に対し、7H×2日間の集合研修を実施。2020年からは、同研修を3H×3回のオンライン実施に切り替え。動画を用いた事前課題や事後課題を効果的に取り入れることで、オンライン研修のメリットを最大限に活用した研修コンテンツを実現した。
【研修目的】
・教育の質を高めるために研修を企画・進行する上で必要となる考え方やスキルを身につける。
【オンライン実施の流れ(各回3H)】
<第1回> 研修の企画・設計の進め方(Plan&See)
◇研修ゴール
•現場と参加者に“意味がない”と言われない施策にするための「研修企画」「研修設計」のポイントが理解できている。
・参加者に“つまらない”と言われない研修にするための参加者を巻き込んだ効果的な「研修運営(進め方)」のポイントが理解できている。
・経営、現場に“効果がない”と言われない研修にするための「研修の評価・効果継続」のポイントが理解できている。
◇事前課題:
・研修企画フォーマットの作成
◇主な内容:
・研修企画の進め方(Plan①)
・研修設計の進め方(Plan②)
・研修の評価・効果継続(See)
<第2回> 研修の進行(Do①)
◇研修ゴール
・相手に「分かりやすく伝わる」話し方のコツ、ポイントが理解できている。
・聞き手に与える印象をコントロールするための観点が理解できている。
・自身の話し方に関する、課題・改善点が明確になっている。
◇事前課題:
・私が考える講師の3要素
◇主な内容:
・参加者に分かりやすく伝える(講義型パートの進め方)
┗論理性を高める
┗具体性を高める
┗印象をコントロールする
┗総合演習
<第3回> 研修の進行(Do②)
◇研修ゴール
・参加者を「その気にさせる」研修導入の考え方、進め方が理解できている。
・起こりがちな「困った場面・状況に応じた対処方法」を習得できている。
・参加者「飽きさせない研修の進め方」のヒントを得られている。
・参加者に「学びを定着させる」研修の結び方が理解できている。
◇事前課題:
・研修設計フォーマットの作成
◇主な内容:
・参加者を巻き込んで始める
・起こりがちな場面、状況に対処する
・参加者を飽きさせずに進める
・学びを定着させて終わる
CLIENT VOICE お客様の声
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Q1)弊社がご提供している『社内インストラクター養成』研修にどのような価値を感じられていますか?
「研修=教えること」、つまり一方的に持っている知識を教えることになりがちだと思います。その点、「受講生同士で対話をさせて気づかせる」など、学び方にも色々なアプローチがあることを知ることができました。
また、研修を受けた受講生を見ていると、「講師をすることに対する不安」を大きく払拭できている印象があります。普段はしゃべり下手な人でもロジカルにポイントを押さえることで分かりやすく話ができるようになっていました。講師をするにあたって、何を準備してどう運用すると受講生に刺さるのか?伝えたいことが伝わるのか?ということがこの教育でつかみ取れたのだと思います。 -
Q2)『社内インストラクター養成』研修を継続的に実施してきたことで、感じられている変化はありますか?
毎年実施しているモラルサーベイ(従業員の満足度調査)で、かつては「講師の質を高めてほしい」という声がたくさんありましたが、この研修を導入してからは、ほとんど聞かれなくなりました。
徐々に講師も世代交代が進んでいますが、過去に『インストラクター養成』研修を受けた人から、新しく講師になった人に対して「あの研修はぜひ受けて!」という声が出てきています。ラーニング・ピラミッドにあるように、教えることで講師自身の理解が深まったり、「教える喜び、楽しさ」を感じてもらえて、C-HAMの狙いである『教え教えられる風土』の流れが着実に醸成されてきているように感じます。 -
Q3)今年から初めて「オンライン(Zoom)」による実施に切り替えましたが、影響はいかがでしたか?
プラスマイナスありますが、オンラインに切り替えることの有効性は感じており、トータルでは今後も他の研修についてもオンライン化を進めていきたいと考えています。
一番の有効性は「設計面」です。
集合研修だと、同じ場所に人を集めるため、どうしても「先に時間の枠を決めてそこに合わせにいく」という設計になりがちだと思います。最初からテキストを配ってしまうため、大きな軌道修正はできません。
その点、オンラインの場合は、小刻みに受講生を集められるので、柔軟性の高い設計が可能になると感じました。今回も1回目の様子を見て2回目をこうするとか、インプットされたことが有効に機能しているかなど、状況を見つつ軌道修正しながら進めることができました。オンライン研修を活用すると、より「あるべき姿」から教育の線を引いていけるのだと思います。
2つ目の優位性は「現場への負担感」です。
集合研修となると移動に時間を使ってしまいますし、結果、集めるとなると長時間の拘束になりがちです。「1日研修で終わってしまう」心境は受講生によっては罪悪感にもつながりかねないですが、今回は各回3時間(13:00-16:00)だけの実施だったので、午前中や夕方の時間を仕事に回せてよかったようです。また「本当に必要なもの」に学びを押さえた分、モチベーションを維持して、集中して研修を受けられていたように思います。 -
Q4)実際にオンライン研修中の受講生の様子をご覧になっていて感じたことはありますか?
最初は「コミュニケーションが取りづらいのでは?」と不安に思っていましたが、杞憂に終わりました。むしろ、周りから余計な情報が入ってこない分、研修に集中できていると感じました。集合研修だと上下関係を気にしたりして、周りのメンバーの顔色を見ながら発言を選ぶことがあると思いますが、オンラインではそうした点が払拭されました。
また、集合研修だと人前で手を挙げて発表することに抵抗感があると思いますが、オンライン研修では、チャットを使うことで対面以上に意見が出やすいと感じました。一人ひとりの書き込みを見て「皆さん、色々なことを考えながら研修に取り組んでいただいているなぁ」と感じることができました。
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Q5)今後の人財育成施策の展望としてはどのようなことをお考えですか?
ここまでは「階層別教育」に関わる人の教え方の強化に注力してきましたが、他にも各機能ごとに実施している「職種別教育」がたくさんあります。こちらにも効果的な教え方のノウハウを広げていきたいと思います。